IE9ピン留め
傷だらけの天使      矢作 俊彦 著者


ショーケンこと萩原健一さんが牛乳瓶のふたを
口で開ける写真が表紙になっている

市川森一氏がメーンの脚本家で深作欣二や恩地日出夫氏ら
日本映画の旗本といえる監督たちが手掛けた1970年代伝説の
テレビドラマ「傷だらけの天使」オープニングからの使用である

「伝説のテレビドラマ」と書いたが、放映当時は、あまり
良い番組とはいえないドラマでした。
飢えたショーケンがひたすらガツガツものを食べるあの
オープニングからにして、当時の親からすれば「子供に見せては
いけないもの」だった。

いまでいうフリーターのようにビルの屋上に住む着き、
派遣労働のように探偵事務所からの依頼されるダーティな
仕事に手を染める修(ショーケン氏)と亨(水谷豊氏)の
若手コンビが、ヤクザ映画のヒーローのような
<ホンモノの悪党>にあこがれるが徹底しきれず、出会った女性と
駆け落ちしたり、情におぼれたりするが結局大きな力には敗れて
いくしかない

最終回には、風邪をこじられて死んだ亨を修が当時のゴミ捨て場
「夢の島」に捨てに行くシーンだ。
当時は鮮烈で70年代前半という「挫折の時代」を象徴として伝説となった

このドラマを作家 矢作俊彦氏が現代によみがえられたのが、この本作で
ホームレスとなった修が新宿の「伝説のヒーロー」として復活するさまを
描いている インターネットカフェなど新しい風俗を交えてその復活を
バーチャルに彩る工夫も施されている


 矢作俊彦さんの本を紹介します


        







# by yukio12i | 2008-07-31 06:13 | 小説・エッセイ
聞いていないとは言わせない    ジェイムズ・リーズナー著者



「聞いていないとは言わせない」
は帯の「150分間一気読み!」のうたい文句
どおり、スピード感あふれる傑作です

夫を亡くした美ぼうのグレースが一人で切り盛りする
テキサスの農場にトビーという二十歳そこそこの青年が、
働かせてほしい、とふらりと現れた

住み込みで働き始めたトビーとグレースは少しずつ
引かれ合うようになり、二十歳近い年の差を越えて
男女の仲になる

と、ここまではロマンス小説風だが、いきなり農場に
乗り込んできた男たちが銃を乱射。
だがグレースは、冷静・的確に応戦する
彼女は何者なのか?

トビーはいやおうなくグレースの危険な過去に巻き込まれていく
しかし、トビーにも実は秘密があった
グレースを追ってくる物騒な連中たち
命からがら逃げる二人。

ストーリーは緊迫感がゆるむことなく進み
あっという間に最終章に!
だが、そこには仰天の結末が待っている


海外ミステリー編で面白い本もありましたよ!

        









# by yukio12i | 2008-07-29 05:58 | ミステリー
 察知力      中村 俊輔 著者



 日本が誇るファンタジスタセルティックの
中村俊輔選手
華麗なプレーはもちろん一朝一夕にできるように
なるわけではない

その背景にある、日々の地道な取り組みを
この本で明らかに紹介している
中村俊輔は、決して体格にめぐまれているわけではない
それでもスコットランドリーグなど欧州のチームで活躍
MVPにも選ばれている

相対する選手の体格も身体能力の上回っている場合が多い
その中でいかに状況判断をして局面を切り開くプレーをするか
そのキーワードがタイトルの「察知力」だ

中村俊輔選手はつづける。「MVPを受賞したからといって
何かが完結したわけじゃない 先のことを考えて準備して
おかなければならない」

そう未来を察知し、その為の準備を怠らない」ことが重要なのだ
「もっといいプレーをするため、勝利のために必要なことは何か」
を常に考えているという

考えるために重要なアイデムが「サッカーノート」
試合でのテーマを何を意識してプレーするのかを書く
試合後には攻撃・守備面での反省、チームメイトや相手選手のことなど
気付いたことは何でも記入する
書く作業を通じて自分の考えを整理して、客観的に自分を
見つめ直すことができる

壁を感じても「この壁を越えれば、ひとつ引き出しが増える」
と前向きに考える。オフの計画でも、無駄のない動きをすることで
心を砕く
中村選手がこの本を書いたことは、サッカーだけでなくビジネスや
社会の常識などあらゆる局面で役に立つことだ



 中村俊輔さん関する本を紹介します

        








# by yukio12i | 2008-07-25 06:34 | 気になる本
ザ・ロード     コーマック・マッカーシー著者


 コーマック・マッカーシーと言えば
現代アメリカ文学を代表する巨匠
2005年に発表したクライムノベル「血と暴力の
国」は、コーエン兄弟の手で映画化され
アカデミー賞4部門を獲得された作品です

それに続いて06年に出た「ザ・ロード」は、
おそらく核戦争によって滅亡した未来のアメリカを描く
終末SF長編作品だ

昨年のピュリツァー賞を受賞し、米国で170万部突破の
大ベストセラーとなった
こちらもヴィゴ・モーテンセン主演で映画化が進んでいる

中身はタイトルが示すとおり、いたってシンプルなロードノベル
核の冬とおぼしき寒波が押し寄せ、人口の大半が死滅した
アメリカでは、数少ない生存者たちが乏しい食糧を
奪い合い、生きるために弱者を殺し、人肉さえも口にする

主人公は、幼い息子を連れて男で
全財産をおさめたカートをおしながら荒廃した大地を南へ
南へと旅している

未来に希望はなく、今日を生き延びられるかどうかもわからない
それでも、父と子は一歩一歩少しずつ進んでゆく・・・。

マッカーシー独特の文体が異変のアメリカを迫真の
リアリティーで描き出し、圧倒的な緊張感が読者をつかんで
離さない。すでに古典の風格がある
子供を持つ父親なら、だれでも心を揺さぶられるだろう
今年のベストセラーを争う感動の傑作と言えよう
  



コーマックさんの本を紹介します  

       








# by yukio12i | 2008-07-05 06:23 | 小説・エッセイ
悩む力           姜 尚中 著者



 この本書は、文学と社会学の巨人の言葉を
手がかりに「誰にでも具わっている『悩む力』にこそ
生きる意味への意志が宿っている」と説くユニークな
生き方指南書である

著者は若き日から愛読してきた二人の著作に「文明が
進むほどに、人間が救いがたく孤立していく」
ことを示した共通性をみる

「生きづらい世界の中で人間はどう生きてゆくのか」
「もがきながら必死に」問いつづけた先人と位置づける
「近代のとば口で発生した問題が未解決のまま」
「進むところまで進んでしまった」現代

近代の矛盾に真摯に向きあった二人を再考する意味がある
自我とは、知とは、労働とは何か
彼らが悩み抜いて紡いだ言を引き、私たちの進むべき道を
探る

今をときめく男前の東大教授に「悩み」と言われても
と思う向きもあるかもしれない
だが、かつて「在日」としてアイデンティティーに迷い
「社会の誰からも承認されて」いない不安に「非常に
殺伐とした気持ち」を抱いていたということを読むと
現在の若者と大きな隔たりのない苦しさを知る人と思える

本書には、悩むことを肯定的にとらえようというメッセージを
感じる それは、効率や結果ばかりを重視する
今の社会が失った暖やかさだろう
巻末の言葉に「悩み続けて、悩みの果てに突きつけられたら
横着になってほしい そんな新しい破壊力がないと、いまの
日本は変わらない」

悩める人に受容する度量は、私たちにあるだろうか


  姜尚中さんの本を紹介します チョットカタイけれど
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ガッチリ稼ごう!【ヒューマネット】
# by yukio12i | 2008-07-02 07:21 | ノンフィクション


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